ある日の夕方、一人の旅人が困ったようすで、「私は道に行き暮れてしまいました。どうか一晩のお宿をお願げえしてえのだが」と、ある家の主人に頼みました。
心やさしいこの家の主人は、「どうぞ、どうぞ、つまんねえ所だが、お気軽にとまんなせえ。遠慮はいらねえよ」と旅人を心よく迎え入れてやりました。
そして、主人は秦野のよもやま話に花を咲かせましたが思い出したように「そうそう、今夜は秦野で一番うめえものを食わしてやんべえ」と言って酒と共に、味噌のにおいのぷんぷんする肉をたくさん出しました。「うん。これはうめえ、うめえ」と旅人は思わず大声を上げて、みんな食べてしまいました。
主人はシシ肉に味噌をつけ、これをふきの葉で包み、焼いたものを提供したのです。
これが昔の秦野のとん漬というものでしょう。現在では、秘伝の手造り味噌をつけ、アルミホイルに包んで焼いて食べるようになりました。
当店では、お客様に喜んでいただけるように、特別に品質を吟味して、このとん漬をご提供申し上げております。どうぞご賞味下さい。
きっとご満足いただけると思います。